おはようございます、こぶしです。
2025年もどうぞよろしくお願いいたします!
今年は、不動産・建築の有効活用・管理の情報も発信していければと思います。
ということで本日はその第一弾。
【不動産管理:賃貸マンション編】として、法定点検の基本情報やオーナーが押さえておくべきポイントをザックリまとめました。
マンションを所有するオーナーにとって、法定点検は資産を守り入居者の安全を確保するために欠かせないものです。しかし、その重要性や具体的な内容が十分に理解されていないことも少なくありません。
この記事を参考に全体概要を把握し、理解への第一歩を踏み出していただけると幸いです。
*以下は全て2025年1月時点の東京都の情報を元に執筆しております、最新・詳細の情報は各都道府県のホームページなどでご確認ください。
*以下マンションの事を共同住宅と記載してます(まとめ以外)のでご了承ください。
法定点検とは?
法定点検とは、法律で義務化された点検です。建築基準法などの法律に基づき、一定の期間ごとに建物・設備等の状態を点検し、安全性や耐久性を確認するための検査です。共同住宅の規模・設備により必要な点検は異なりますが、以下の点検が代表的なものです。
• 特定建築物定期調査(建築基準法)
敷地及び地盤・建築物の外部・屋上及び屋根・建築物の内部・避難施設等の状況など、建物全体の維持管理状況などを調べます。
• 防火設備定期検査(建築基準法)
防火扉・防火シャッターなど、防火設備がきちんと機能するかを調べます。
特定建築物が対象。1年に1回の実施が必要だよ。
• 建築設備定期検査(建築基準法)
換気設備や排煙設備の作動確認や測定・非常用の照明装置の点灯確認・給水設備および排水設備の点検など、建築設備がきちんと機能するかを調べます。
特定建築物が対象。1年に1回の実施が必要だよ。
• 昇降機等定期検査(建築基準法)
制御装置の作動に問題はないか、ブレーキなどに異常がないか、かごの上昇時及び下降時の速度は適切か、地震時等管制運転装置の作動状況・かごの設置・構造・ドア・操作盤・操縦機などに問題はないかなど、エレベーターが安全かを調べます。
積載量1トン以上のエレベーターとホームエレベーターを除く、全てのエレベーターが対象。1年に1回の実施が必要だよ。定期検査の他にも「昇降機の使用頻度に応じて、定期的に」保守点検を行うことが推奨されてる。保守点検は月に1回程度実施しているケースが多いようだよ。
【参考】東京都 都市整備局ホームページ:定期報告https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/tamakenchikushidou/teikihoukoku.html
・消防用設備等点検(消防法)
消防法により消防用設備等(消火器・自動火災報知設備・スプリンクラー等)を設置することが義務づけられている建物が対象。機器点検・総合点検を行い消防用設備等がきちんと機能するかを調べます。
機器点検(6カ月ごとに実施):外観又は簡易な操作による確認をします。
総合点検(1年ごとに実施):実際に消防設備を作動させ、全般的な機能を確認をします。
延床面積が150㎡以上の共同住宅は、消防長または消防署への報告も3年に1回必要だよ。
【参考】東京消防庁ホームページ:消防用設備等点検報告制度https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/tenken_houkoku.html
・簡易専用水道管理状況検査(水道法)
水道局から水の供給を受けるための水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるもの(簡易専用水道)が対象。水槽等の外観検査・書類検査・水質のチェックをして、水槽が衛生的な状態に保たれているか確認します。
1年に1回の実施が必要だよ。検査の他にも、水道法に規定する管理基準に従って点検、清掃等を実施する必要がある。具体的には水槽の掃除を1年以内ごとに1回実施する、などがある。また、水槽の有効容量が100㎥を超えるもの(専用水道)は専用水道定期水質検査を受検する必要があるよ。専用水道に分類されるものの詳細は下記を参照。
【参考】東京都 保険医療局ホームページ:簡易専用水道の情報、専用水道の情報https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kankyo/suido/jouhou
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/hokenjyo/nisitama/soud
・自家用電気工作物定期点検(電気事業法)
高圧(600V超)で受電する設備が対象。点検頻度は個々の「保安規定」において定められます。一般的には月次点検および年次点検の実施が多く、点検・測定・試験などを行い電気が安全に使えるか確認します。
年次点検は停電が必要なのでタイミング注意。保安規定は経済産業大臣へ報告・遵守する必要があるよ。保安監督の為、主任技術者を選任し届出することも必要だよ。
【参考】経済産業省ホームページ:電気工作物の保安https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/electric/detail/setsubi_hoan.html
・浄化槽の定期検査(浄化槽法)
屎尿および雑排水を処理する浄化槽が対象。外観検査・水質検査・書類検査(保守点検・清掃の記録)を実施し、浄化槽が正常に機能しているか総合的に判断します。
1年に1回の実施が必要。定期検査の他にも、保守点検は浄化槽の種類により1週間~6ヶ月ごとに1回以上、清掃は全ばっ気方式は6ヶ月ごとに1回以上・そのほかは1年に1回の実施が必要だよ。
【参考】東京都 環境局:浄化槽の法定検査https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/resource/general_waste/septic_tank/legal_test
法定点検が必要な理由
法定点検には、主に以下のようなメリットがあります。
1. 安全性の確保
入居者や訪問者の生命を守るため、建物や設備が正常に機能しているかを確認します。
2. 資産価値の維持
適切な点検と修繕を行うことで、建物や設備の劣化を防ぎ、資産価値を維持します。
3. 法令遵守
点検を怠ると罰則や行政指導を受ける可能性があります。最悪の場合、賠償責任を問われることもあります。
オーナーが押さえるべき3つのポイント
1. 点検のタイミングを把握する
法定点検は年に1回または数年ごとに実施が義務付けられています。スケジュール管理を徹底し漏れがないようにしましょう。
2. 信頼できる調査機関を選ぶ
点検・調査の多くは資格を持つ調査機関が行う必要があります。行政のホームページを見たり、過去の実績や評判を調べたりして信頼できる業者に依頼してください。
3. 点検結果に基づく対応を行う
点検・調査後に不備が見つかった場合、早急に対応することが重要です。軽微な修繕で済む場合もあれば、大規模な補修が必要になることもあります。費用が大きくなる前に対応するのが得策です。
まとめ
法定点検は、建物の安全性・快適性の確保や、収入や資産価値を維持するために欠かせない取り組みです。オーナーとして、点検のスケジュールや内容を正しく理解し、適切に対応することで、安心してマンション運営を続けることができます。
法定点検には数万円~数十万円の費用がかかりますが、「コスト」と捉えるのではなく「長期的な資産保全のための投資」と考えることが重要です。
点検結果もただ受け取るだけでなく、調査員と直接コミュニケーションを取り、建物の現状や将来的なリスクについて理解を深めることをお勧めします。
ではまた次のブログでお会いしましょう。
特定建築物(5階以上かつ共同住宅の床面積合計が1000㎡以上)が対象。3年に1回の実施が必要だよ。